【非競争的な場】コミュニティ⇒と社会起業家
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卒業研究に向けてのメールの、MLでのやりとり。
>P・F・ドラッカー『ネクスト・ソサエティ』の
>P28〜29に【成功の代償】という話しがあって。
>20代からずーーーっと競争にさらされる社会においては、
>もし、成功したとしても、できることが『仕事だけ』ならば、
>40代、50代でバーンアウトしてしまう。
こーいうアナウンスをする人は、結構いる(競争にさらされる社会)けど、(もちろん、危機意識をもってほしいという意味もあるんだろうが)
その上で、
>したがって、知識労働者たるものは、若いうちに【非競争的な】
>コミュニティを形成しておかなければならない。
>仕事以外の場で関心をもてるものを育むことが、
>万一、仕事に燃え尽きたときの、貢献と自己実現の場を与えてくれる。
っていうアナウンスをする人は少ないよね。
もちろん、これは自分がやってないと説得力無いからだろうけど。
家庭と職場以外の【非競争的な】コミュニティを自ら作って
動いている人っていうのは、多分上の世代には
少ないだろうし、もしくはそれを「社会的に」
おおっぴらに言えるほどの活動をしている人も少ないだろうから。
この【非競争的な】コミュニティも、
○ プライベート軸
=(閉鎖性という意味で)クラブ的・wantベース
趣味、自分がやりたいこと、好きなこと次元
と
○ パブリック軸軸
=プロジェクト型・社会起業家型コミュニティ・want+mustベース
社会の抱える課題(福祉とか)、民間サービスの次元で
は解決できない問題に取り組む。
ものがあるのかなと。
ここでの「非競争」は同じ次元で相手がいないこと
という意味でとらえました。あと、あえて組織ではなく
コミュニティと使ったのは方向性を定めていくのではなく
ネットワークという機能の中で流動的に活動していく場を
想定してみて。
で、プライベート軸は前々からあったけど、
後者のパブリックに開かれた活動というのは
今、注目されているし、自分が卒論のテーマにしている
「コミュニティソリューション」も関わるものなのでは
ないかなと。
>という話しがあって、この話では、
>【キャリア・アップ】と【自己実現】を同義で考えているっぽい投稿であったが、
あ、ごめん。これは表現が悪かった。
現状として、【キャリア・アップ】と【自己実現】を同義で考えている風潮があるよね
ということで。
というか今までも、そうだったよねぇということ。
というのも、社会で働く人の大半の時間的な
コミットの場が、「企業」という経済的な組織
であり、その場をいかに確保するかということが、
人生に大きく左右すると考えられてきたから。
もちろん、これも働くということが、
お金という報酬を得ることで、
自分の自己実現の手段となりえたし、
あわよくばそれを目的化する
ことが一番いい方法だと考えられてきたから
じゃないかなとおもう。
一億総中流化なんてことばもありました。
>ソニーの大賀さん(?)だったっけかな?
>あの人が、私財を費やして、オーケストラの講堂を建てたりするのを見ると、
>【仕事の自己実現の場】=【競争の場】
>と、
>【趣味で楽しい自己実現の場】=【非競争的な場】
>を両立して育むことが、永続的なモチベーションを生むのではないかと。
で、前のメールの
▼
それ以外の個人の「自己実現の場」を、
どういった方法で考えるか。
は、これは企業ではなく、
①【仕事の自己実現の場】=「非競争的なコミュニティ」
への参加や関わりかたを、選択肢として提示するには
どうするかということと、
②それらの社会的なサポートとしてどう位置づけるか
ということを考えていました。
①は慶應の教授の金子郁容の「ボランティア」と
「コミュニティソリューション」という本と松岡正剛から、
②は内橋克人先生の本と講義+
「社会起業家」をキーワードに片岡勝、
田坂広志などをまじえ。(このあたりは、後述。)
というのも、大賀さんのような人は、日本ではレアだとおもう。
アメリカは(これは意図的にだろうけど)、お金がある人は
財団を作るし、寄付もするし、大学もつくる。
(ビルゲイツやカーネギーしかり)
だから、
>【仕事の自己実現の場】=【競争の場】
>と、
>【趣味で楽しい自己実現の場】=【非競争的な場】
狭義(になってしまってる)【仕事=自己実現の場】
という選択肢じゃなくて、広義の【自己実現の場】を、
分断せずに、つくれないかなぁということ。
旧来の、
【非競争的な場】=ボランティアや寄付、まったく別の場所
ではなくて、
【非競争的な場】=仕事として。
仕事でもあり趣味(スキルという意味ではプロだけど)
でもあるような【非競争的な場・コミュニティ】は
どうやったらおもしろいかなぁと。
そーいうことを考えております。(↑の②のところです)
で、方法論というか具体的な策として
「社会起業家」をキーコンセプトに(http://www.hotwired.co.jp/matrix/0202/)
ソーシャルキャピタル という雇用促進・福祉利用も含めたインフラ整備なり、
ボランタリーマインド という社会と他者へのかかわりや豊かさマインドの問い直し なり、
インディペンデントなシンクタンク という、フリーなリサーチ機関の設立 なり
をもーいっかい「おカネの流れ」(SRIとか)やマネジメント
という点から視野に入れてみようと。
>あ、ちなみに、この本は
>「ナレッジ・ワーカー」っていう、知的資本を使って、働く人が世界を仕切っていく・・・。とゆう
>知識社会の到来をドラッカーが明確にした書籍です。
ですね。
>よーするに、こんだけ情報化社会の現代になると、有形の資産価値はすぐに陳腐化するが、
>無形の資産は陳腐化しない。とかそーゆー話で・・・・。
うんうん。
以前の田坂さんフレームでいうと、金銭報酬以外の、知識・関係・評価も総じて個人の成長という報酬になるよねということにも関わって。