使命共同体・ワーカーズ・コレクティブ
内橋克人を読む
『共生の大地―新しい経済がはじまる』(岩波新書)
http://www.ugbc.net/db_rep/rep18/18SRuti.htm
資本・経営・労働を一体化
○ ワーカーズ・コレクティブ
資本と経営の分離が進むことは、株式会社の成長・高度化・発展の歴史的過程であり、それは望ましいことであるというのが、経営学の常識である。この形態のとことん行き着く先は、巨大多国籍企業の組織原型である。
しかし、「使命共同体」のバラダイムはこれとはまったく逆で、資本と経営と労働の一体的展開 を指向する原則をもつ。
これがワーカーズ・コレクティプ(労働者協同組合)の思想である。
ワーカーズ・コレクティプで働く労働者は、アメリカでは労働者総数の8%に達し、ドイツでは1万2000団体(約10万人)を数える。
地球規模で見るならば、ワーカーズ・コレクティプに代表される市民事業が創出し、提供している雇用チャンスは、ILOの試算によれば世界全体
で10億人をこえたという。
○ 市民事業
日本でも、このような新しい事業展開を行っている人びとがいる。その一つの例として、「株式会社プレスオールターナティブ」(片岡勝代表)がある。
「私たちの仕事というのは、経済性をこえる社会的意味と価値をもとめてのものだ」とその代表片岡氏は定義づける。その中心は「継続できるボランティア精神に支えられた、利益優先でないサービスの提供」にある。
この領域を片岡氏は「市民事業」という。
世界的なフェアトレード(企正貿易)運動を最初に日本にもちこんだのも、株式会社プレスオールターナティブである。
片岡氏は「食えるボランティア」という言葉を強調する。善意だけのボランティアは長続きしない。個人の犠牲と奉仕の精神だけでは、現代社会
がもとめる「生活領域を豊かにするサービス」はおこなえない。なぜなら、その遂行には、巨大なエネルギーと時間、高度のノウハウ、そしてなに
よりも資金を必要とするからである。
「継続するボランティア」を社会が必要とするようになればそれだけ、高度の経営ノウハウで武装した「サービスの事業化」を指向せざるをえ
ず、そこに市民事業の真意がある。生活を維持できてこそ善意は継続するのである。
市民事業の理解はできた。
・「経済性をこえる社会的意味と価値をもとめてのものだ」
・継続できるボランティア精神に支えられた、
利益優先でないサービスの提供
・食えるボランティア
このあたりをもーすこしつっこんでみよっと。